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GALLERY81 SCANDINAVIAがおススメする本

「Scandinavian Design」
(小サイズ/廉価版)
Charlotte & Peter Fiell / Taschen

本当は初版の大型本を紹介したいのですが、基本絶版なのがとても残念(内容が若干簡略化してあります)。北欧デザインとはなんぞや、という根源的な部分に触れるにはまずこの本ありきという感じです。当店でも、北欧品を取り扱う上で、未だ大変有用で重用している一冊。北欧やデザインが好きな方もそうでない方にも、幅広く触れて頂きたい本です。

「1000 Chairs」
Charlotte & Peter Fiell / Taschen

現在は装丁が変わっておりますが、このパントンの方が好きなので敢えてこちらをご紹介。当ギャラリーでも過去イギリス家具を扱っていたこともあるのですが、今思えば英国ウィンザーチェアとウェグナーを繋ぐ線も、この本だったように思います。「椅子」はある種、家具全般を構造的に見通す上でのミニマリズムであることもあり、作品毎の歴史や国別の背景を踏まえた、人間と椅子の激しい戦い?を窺い知ることができます。日本語版も有り。

「Den Store danske MOBELGUIDE」
Per H. Hansen, Klaus Petersen / Aschehoug

デンマークが世界に誇る名作家具たち357点を一同に会した1冊。全編、白抜きの格調高いレイアウトにまとめられ、家具もまたアートピースであることをしっかり伝えます。各作家の顔写真入りバイオグラフィなど、デンマーク語による記述が残念ですが(そこは翻訳で回避)、ほぼ写真で占めているので問題なし。また、巻末のバックスタンプガイドがとても重宝します。

「美しい椅子―北欧4人の名匠のデザイン」
(文庫本)島崎信 / エイ文庫

ウェグナー、ヤコブセン、モーエンセン、ユール。デンマークの巨匠4人に絞込み、人物から歴史、作品解説に至るまでを170ページに明確に記載。4人とも突然の成功者ではなく、また名作と呼ばれる椅子たちは偶然も必然もありながら生まれたという事実が要点よく各人の項に書き出され、高い視認性のレイアウトにまとめ上げられております。「経験・個性・蓄積」の3つの要素で練り上げられていることを咀嚼しつつ、じっくりとそれらの名作に腰掛けてみたいものです。

「DANISH PEPPER JENS QUISTGAARD'S TEAK PEPPER MILLS」
Mark Perlson / www.danishpepper.com

"デザインをする人は、扱う素材について知れば知るほど、自分に何が出来るかを理解するだろう"― Dansk社を立ち上げ、世界中の今様プロダクトデザインの、ある種の礎を築いたといっても過言ではないデーニッシュデザイナー Jens Harald Quistgaard。数多の優れた作品を遺した彼の軌跡をペッパーミルという非常にミニマルな造形で拝見できる貴重な1冊。親日家であったこともあり、ある意味我々の琴線に最も触れる北欧作家の1人と言えるでしょう。

「Tusenkonstnaren Stig Lindberg」
(ハードカバー/廉価版)
Gisela Eronn / Prisma bok

スウェーデン・モダンデザインの巨匠、スティグ・リンドベリの生涯に渡る全てを網羅した著作。[Studiohand]と呼ばれる独特のシグネチャーを配したハンドペイント作品から数々のアートやラフ、後年のプロダクツに至るまで、氏の軌跡をじっくりとたどることが出来ます。現地でも個展でしかお目にかかれない状況を大量の写真で閲覧できる、まさにスウェーデン〜北欧の器ファン必携の1冊です。

「民芸 (あたらしい教科書 11)」
濱田琢司 / プチグラパブリッシング

「民芸(品)」とは昭和の造語であったという事実。では私たちが普通に親しんでいる民芸と民藝の違いが何であるのかということを、教科書のコンセプト通り中学生でもわかるような懇切丁寧さで(くどくなく)順次解説していってくれます。後半時折挟まれるダイジェスト的項がさらに復習しやすく、また各国民芸品や今様プロダクツのセレクトで繋げていく点など、勉強も活用もきっちり兼ね備えた1冊です。

「北欧 (あたらしい教科書 12)」
プチグラパブリッシング

イッタラにヤコブセン、キシリトールガムやノルウェーサーモン。オーロラから高福祉に至るまで、「北欧って何?」という、極めて一般的で素朴な疑問に、簡潔かつ丁寧にほぼ全て答えてくれるまさに教科書。あいまいなイメージをきっちりキーワードに転化し、興味の裾野を広げる優れた編集ぶりはこのシリーズならではです。個人的な意見で恐縮ですが、音楽の項だけはちょっとヘン。しかしそれもまた、特化したことは自分で探求すればよいということなのです。