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ARTIST STUDIO解説

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Hertha Bengtson / ヘルサ・ベングトソン
Blekinge, Sweden 1917-1993
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Hackefors窯から陶芸職に就き、後にスウェーデンRorstrand窯に就業。Gunnar Nylund,Marianne Westmanらと共に、同時代を代表するデザイナーとなり、Bla Eldシリーズなど、国内外で高い評価を得る。在籍中にパリ・Grande Chaumiere アカデミーに入学。また、ヨーロッパ各国〜中近東を旅し、創作活動を行う。1961年にSwedish Good Design賞、1964年にKage Prizeを受賞。65年〜83年にはHoganas, Rosenthal 窯でデザイナーを歴任し71年〜1983年の間にドイツのGute Industriformを4度受賞するなどガラス器から衛生陶器に至るまで、晩年まで旺盛な創作を行った。

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HOGANAS / ホガナス
Hoganas, Sweden 1909〜
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陶器職人の Karl Andersson と 釉薬技師の Sigfrid Johansson の2人により、[AJ HOGANAS] として小さな窯を立ち上げる。スウェーデンでも特徴的な土の質感を活かした陶芸で数々のエキシビジョンに展開。アーティストの個性や土着性のある作風をアピールしていた。1950年代からは工場や職人も飛躍的に拡大し、硬質感があり生産性を踏まえたストーンウェアに主軸を変更。ギフトなど国内外で幅広くブランドを浸透させていった。現在はIittalaグループのひとつとして稼動している。

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HOLMEGAARD / ホルムガード
Fensmark, Denmark 1823〜
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世界有数のガラス工房/会社であるホルメゴー。1823年、Christian Danneskjold-Samsoe伯爵が自分の領内に最高のガラス工房を設立しようと時の王へ嘆願。しかし許可が降りたのは彼の没後で、その意志は妻に受け継がれた。当初は小規模でグリーンガラス質の状態であったが、ボヘミアンガラスを研究し透明度の高いガラスを開発、デンマーク最大のガラスブランドに成長。1900年中期にはJacob Bang, Per Lutken等のディレクションにより、世界トップレベルのデザインを作り上げた。

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Hans Hansen / ハンス・ハンセン
Kolding, Denmark 1906~1992
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金銀細工の職人が集まることで有名なKoldingにワークショップを設立した初代Hans Hansenは、1920年には自身のブランドH.F. Gross' designsを立ち上げ、カトラリーやジュエリーなど を製作する。ヨーロッパ中を巡り、コペンハーゲンの彫塑美術アカデミーに学んだ息子のKarl Gustav Hansenと共に発展の礎を築いた。後に息子のイニシャルKGFのブランド名で数多くの著名デザイナーを擁立、デンマークのみならずヨーロッパでも最高クラスのシルバーブランドとして認知される。1992年にジョージ・ジャンセン社と合併。その高いデザイン力と技術は今なお継承 され続けている。

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Henning Koppel / ヘニング・コッペル
Copenhagen, Denmark 1918~1981
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裕福な宝石商の三男として生まれ、早くから絵画など美術に興味を持つ。王立アカデミーで彫刻を学んだ後、パリの名門アカデミー・ランソンへ留学。また大戦時の疎開先であるスウェーデンではAxel Saltoの商業美術の概念に傾倒。デンマークへ戻った後は画商を営みながら自身がデザイン、製作した装飾品を販売。ほどなくして世界的シルバーブランドであるGeorg Gensenの目に留まり、同社を代表するデザイナーとして作品は一時代を築きあげ世界的評価を得る。1963年、アメリカのLuninng Prizeを受賞。戦後モダニズムの変遷において、極めて重要なアーティストの1人である。

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Hjorth / ヨース
Ronne, Denmark 1859~1995
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ドイツ、南欧でろくろ技術を体得した創設者 Lauritz Hjorthがテラコッタ工場を設立。精緻な技術力は当初から評価され、国の依頼で古い彫刻など美術品のリプロダクトも請け負っていた。後にオリジナルの装飾品や骨董をコピーした商品が好評を博し、国内でも伝統と技術を誇る窯として認知される。1900年代からは2人の息子が引き継ぎ、ストーンウェア製作に主軸を置き、戦後には50人の職人を要する名窯に発展。インテリア性の高い作品を提供し続けた。現在はBornholm美術館にて、体験工房と共にその軌跡を伝えている。

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Ivan Weiss / イワン・ウェイス
Denmark 1946~
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16歳でRoyal Copenhagen窯に就業。同窯トップアーティストであったNils Thorssonに師事。早くからその才能を開花させ、名作[Frola Danica]のペイントなど、数々の作品を手がける。 1970年代に来日し、日本人女性と結婚(Fujiko Weiss - 画家)。彼女とのパートナーシップは、後の彼独自のオリエンタリズム溢れるアートピースなどの創作に多大な影響を与えた。 現在もRoyal Copenhagenのデザインを行うと共に、自身のスタジオを展開。ナショナルバンクの装飾など大規模なものから、夫婦での合同展など精力的に活動している。

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Inger Persson / インゲル・ペルッソン
Sandarne, Sweden 1936~
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ストックホルムのKonstfack(美術学校)に在籍。Stig Lindberg等にデザインを学び、卒業後Rorstrand窯に就業。1960年当時次世代を担うデザイナーの育成が盛んな中、陶器から?器まで 様々な素材感をモチーフにシンプルなデザインを提案。中でも1969年に発表されたプロダクトシリーズ[Pop]は突出したヒットとなり、彼女のデザイナー/陶芸家としての地位を確立した。 一時、自身のスタジオを設立し、またTidaholmの学校で陶芸についての教鞭を振るうなどの活動を行うが再びRorstrandに招聘される。90年代には再び多くのヒット作のデザインを手がけ、スウェーデンを代表するデザイナーの1人として活躍している。

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Inger Waage / インゲル・ヴォーゲ
Stavanger, Norway 1923~1995
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オスロの国際美術工芸大で陶芸を学ぶ。自身のスタジオをホームタウンに設立した後、名窯Stavangerflintに招聘。同社の新しい展開―ハンドペイントによる陶製アートのリーディングを要請される。1961年発表の[MasterChef]のテーブルウェアデザインは画期的なものとされ、イギリスBBC製作のドキュメンタリーを通じて彼女の名は世界的なものとなる。1971年同窯のFiggioとの合併後から晩年までコンスタントに創作活動を行い、彼女ならではの彩色は今尚高い評価と人気を博している。

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Jens H. Quistgaard / イェンス・H・クイストゴー
Copenhagen, Denmark 1919~2008
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父は王立芸術アカデミー教授/彫刻家、Harald Quistgaard。当初から木工、彫塑、陶芸、大工、製図と多彩な技術を修練。Georg Jensen社で銀職人を経験後、渡米。アメリカの工業デザインコンペティションLunning Prise受賞の1954年に「Dansk International Designs LTD.」を設立。様々な素材を駆使し、質感を重視した優雅で温かみのある機能美に留まらない技法で、テーブルウェアを中心に近代デザインの代表者の1人となった。

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Johansfors / ヨハンスフォス
Smalland, Denmark 1891~1972
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Lyckebyan川を望む豊かな土地に設立された同社。Kosta BodaやAforsから職人を招聘し、普段使いから豪著までグラスを主に製作。特にエングレーヴィング(ダイヤを使った彫りこみ)技術に定評があり、数々のデザイナーやデザインラインを創出した。1972年Aforsに買収後もその技術はスモーランド〜クリスタル・キングダム中に受け継がれている。

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Jacqueline_Lynd / ジャクリーン・リンド
Greenisland, Ireland 1948~
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イギリスの名門Wedgewoodにペインターとして従事。この頃から、故郷アイルランドでの経験をモチーフとした繊細でナチュラルな彩色を特徴としていく。1974年にスウェーデン の名窯 RORSTRANDに入社。就業中に迎えた250周年を記念するボウルで優秀なデザインを発表、のちのIsolde、Dalomと名付けられたシリーズは大ヒットするとともに、同窯のモダンデザインの展開において新しい方向性を示した。90年の退社まで25の作品を発表し、今なお高い人気を誇っている。

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Just Andersen / ユスト・アンデルセン
Greenland, Denmark 1884~1943
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デンマーク、ドイツ、イタリアで装飾彫刻を学ぶ。妻Arbaの紹介で時のシルバーマイスター Morgesn Ballinに師事。後1918年自身の名を冠した工房を設立、主に金銀細工によるアクセサリーを製作、また名門Anton Mishelsenにデザインの提供などを行う。彼の偉大な功績として合金の発見がある。また錫や真鍮などによるオブジェやエポックな日用品を開発し、世界的な展開に成功した。

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KOSTA BODA / コスタボーダ
Smaland, Sweden 1742〜
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Kosta社は「クリスタルキングダム」の異名を持つスウェーデン南部 スモーランドで、当時の国王カール12世配下の将軍2人によって設立。1800年代後期には世界的にクオリティを評価されるようになり、箱根の老舗旅館のウィンドウからホワイトハウスのシャンデリアまで、世界各地で美しさを演出する役割を担った。後にここから独立した2人の職人が1864年にBoda社を設立。1960 年両者合併当時からザイナーを積極的にアピール。個性的で美麗なグラスウェアを提供し続けている。

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Knabstrup / クナブストラップ
Knabstrup, Denmark 1907~77
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デンマーク国内でも最も歴史があるといわれるKnabstrupの古城をHenrik Schouが買収。レンガ工場施設に陶器会社を1907年に設立する。陶芸に適した優良な土質が発見され、やがてその娘Frida Schou指揮の下、デザイン性のあるテーブルウェアを主軸に展開し始める。最大250名の雇用を抱えるなど業務は拡大し、戦後には多くの陶芸デザイナーの拠り所となった。1977年にBjorn WinbladによってNymolle社管轄の工場となり運営が続けられたが、88年には完全に閉鎖された。

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Kronjyden / クロニーデン
Randers, Denmark 1937~88
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1937年 Stentoj & Fajance (Stoneware&Faience)の名前で窯が設立。1957年にJens H. Quistgaard(Dansk の設立者)のデザインによるシリーズを開始。[Relief] と呼ばれるラインは同社の代表作となる。設立時の名前通り、Framestone(耐火粘土)を使ったマットな質感をモチーフとした作品を次々に発表。1972年にBing&Grondahl社に経営譲渡された後もシリーズは継続されていたが、88年に完全に閉窯した。

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Kahler / ケーラー
Nestved , Denmark 1839~
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初代Herman Joachim Kahlerによって設立以来、ハンドメイドにこだわった製作を続けているKahler窯。2代目AugustとFrederikの時代に、パリのエキシビジョンに出展した”赤い花瓶”はヨーロッパの陶芸史においてエポックメイキングであり、[Kahler Red]の名で高い評価を得、世界各国の美術館などから数々のオファーを受けるようになる。1940年代、4代目Nilsによってさらに技術的な進化も遂げ、著名なターコイズブルーのラインなど生産的かつアーティスティックなピースが創造された。現在もデンマーク国内有数の陶器ブランドとしてに幅広く展開している。

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Kastrup Glasvaerk / カストラップ
Copenhagen, Denmark 1847~1979
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1847年、Christian Conrad Sophus伯爵によって工房の基盤が設立される。1900年代初頭まで様々なガラス会社と合併/買収を繰り返し、デンマーク各地に拠点を構える大企業となる。吹きガラスと型ガラスの両方を駆使し、主に普段使いの器を製造していたが、1957年にJacob Bangを起用したことによりデザイン性に注力し始める。Grethe Meyer, Nanna Ditzel , Sigvard Bernadotte など国内外問わず著名アーティストによる作品は好評を博した。1965年にHolmegaardに合併吸収され、当初のデザインプロダクトは1979年まで継続される。建築家Philip Smidthによって建てられた本社ビルは今なおコペンハーゲンに遺されてい る。

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Karin Bjorquist / カリン・ビョルキスト
Saffle, Sweden 1927~
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1950年までストックホルムの国際美術工芸大学に学ぶ。Gustavsberg社に入社、トップアーティストであったWilhelm Kageのアシスタントに従事。4年後には世界的なアート祭典 ミラノトルエナーレで金メダルを獲得するなど、その才能を早くから認められる。1980年のGustavsbergのアートディレクターを経、現在もRorstrandで創作活動を行う。1992年にはスウェーデン美術 工芸会から栄誉ある[Excellent Swedish Design]賞を獲得。師であるKageのコンセプトであった「日用で美しく」をモットーに、飽きの来ないシンプルなデザインと機能性に溢れた名作、ヒット作を次々と生み出し、ヨーロッパでも屈指の女性アーティストとして活躍している。

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Kaj Franck / カイ・フランク
Helsinki, Finland 1911~1989
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ヘルシンキの中央美術大でインテリアを学ぶ。デパートのウィンドウデコレーションや内装やYhtyneet Villatehtaat社のテキスタイルの図案を手がける仕事に従事した後ARABIA社の陶器デザイナーとして雇われる。同時にNuutajarvi(Iittala)のグラスワークも着手し自身の手によるものから監修まで幅広く展開。晩年美術大教授を務めるまで生涯デザインに関わり続ける。世界的な受賞歴は枚挙に暇がなく、没後1992年、その功績を讃え、Design Forum FinlandにてKaj Frank Prizeが設けられた。

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Lisa Larson / リサ・ラーソン
Harlunda, Sweden 1931〜
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Gothenburgの工芸学校で当初ファッションデザインを学びながら陶芸へ転向。卒業後Arabiaのデザイナー Kurt Ekholm の元で学びシャモット土(耐火粘土)を使った独自の技法を取り入れる。1950年半ば頃に、数々のアートスクールに出展入賞を繰り返す最中、Gustavsbergのアートディレクターを務めていたStig Lindbergの目に止まり入社。 [Playground]と称するチームが組まれ、新人でありながら、当初からそのタレント性を活かした自由な立場と環境を与えられる。特に人気の高いアニマルフィギュアは、シリーズを通して300もの作品を創造し、世界中のコレクターを今尚楽しませている。

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Lovemose / ロウエモーズ
Langeland, Denmark circa1960's
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MarieとJohannesのHansen夫妻によって1960年頃、Langekand島に窯を設立。掻き落としによる土器のようなトライバルな陶磁器デザイン〜作品を展開し、夫妻を中心に15人の陶芸家を雇用するデンマーク有数の窯となる。現在も続くハウスウェアの名門 Rasmus Holbechなど大手企業なども顧客におき、1980年頃まで運営された。

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Marianne Westman / マリアンヌ・ウェストマン
Falun , Sweden 1928~
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ストックホルムのKonstfack(美術工芸大学)で「スウェーデン陶芸のパイオニア」とも呼ばれるEdgar Bockmanに師事。卒業後、約20年間 Rorstrand窯に就業。在籍中はエポックメイキングな作品を次々と展開し、[Picnic]や[MonAmie]など、国内外でロングセラーとなるシリーズを生み出した。また、ミラノ・トルエナーレでは3度にわたり受賞、名実共にトップアーティストとして認知された。後にSkruf, Gllaskrufとガラス名窯で作品を提供。ガラス作家としても成功を収める。近年は81歳にしてファブリックメーカーAlmedahlsとのコラボレーションも展開、旺盛な作家活動にいそしんでいる。

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Margreta Hennix / マルグレータ・ヘニクス
Sweden 1941〜
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ストックホルムのKonstfack美術工芸大学に就学。名窯Johansforsで3年間ガラス作家として活動した後Gustavsberg窯に入社。20余年におよび主要なデザイナーとして活躍、北欧ミッドセンチュリーの中核的存在で多数のヒット作を生み出した。後に本来のガラスに回帰、Design House Stockholm社で数々の名シリーズを手がける一方、プラスチックやエナメル、テキスタイルなど様々な素材を駆使した作品を発表。そのストイックで力強いデザインと色使いは彼女ならではとされており、スウェーデンのみならずヨーロッパ中で評価を受けている。

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Michael Andersen / ミカエル・アナセン
Bornholm, Denmark 1890〜
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Jens Michael Andersenとその4人の息子によって窯を設立。当初は食器や壷など古典的で一般使用のテーブルウェアを生産していた。長男のDaniel Folkmann Andersen(1885-1959)がアート作品に着手、またブランド製を高めるため、バックスタンプ(1930年以降の三匹のニシンのマーク)を採用。装飾美のあるフィギュアが好評を博し世界的なコレクターを擁することになる。またPersia Techniqueと呼ばれる貫入による独特の技法を開発し、ドイツ/ブリュッセルの世界万博で金賞を受賞。デンマークを代表する名窯となった。

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Michael Lax / マイケル・ラックス
New York, US 1929〜1999
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建築家/工業デザイナー。地元the High School of Music and Art〜Alfred大学卒業後グラスブランドDunbarに入社。同社で1951年にデザインしたMoMAでグッドデザイン賞を受賞する。後に陶芸ではラッセル・ライト、フィンランドに渡りカイ・フランクに師事、またイルマリ・タピオヴァラにガラスを学ぶなど様々な技術やデザイン観を修得。自分のスタジオ設立後はテーブルウェアから家電、建築に至るまで生粋のニューヨーカーである彼ならではの、都会的で洗練されたデザインを提案していく。ミッドセンチュリー期のアメリカで最も重要なデザイナーの1人とされている。