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ARTIST STUDIO解説

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Nanny Still Mckinney / ナニー・スティル
Helsinki, Finland 1926〜2009
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フィンランドのアートデザイン大を卒業後Riihimakiのデザインチームに所属。未だかつて無いデザイン性と機能性を両立することをモットーとしたプロダクトの開発に携わる。特に突出した色彩について数多の実験を繰り返していた彼女は1958年、カプリでの休暇にインスパイアされたという美しい青をモチーフとした作品 Harlekiini シリーズを発表。世界的な成功を収める。晩年Iittalaグループに所属し、彼女ならではの斬新な素地と色彩で数々の名品を遺している。

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Nils Thorsson / ニルス・トーソン
Eslov, Sweden 1898~1975
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14歳でRoyal Copenhagen (Aluminia)に奉公し、窯でのあらゆる種類の陶磁器の作家に師事する。並行して1925年王立アカデミーを卒業後、自身のスタジオも早くから設立。パリ万国博での金メダル受賞や王室用テーブルウェアのオーダーなどで、その実力はヨーロッパ中で知れ渡ることになる。デンマーク伝統の様式からモダニズムまで幅広く取り入れた独自の手法で約60年もの間、Royal Copenhagenのトップアーティストとして活躍し続けた。

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NYMOLLE / ニーモール
Lyngby, Denmark 1936〜1990
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デンマークの陶磁器メーカーとしては後発で、当初は日用的な陶器を生産。1940年代にJacob Bangを起用、彼のディレクションの元、芸術的で有機的なピースの製作を取り入れる。Bjorn Wiinblad、Gunnar Nylundなど第一線のデザイナーを次々と起用し、ピーク時にはロイヤルコペンハーゲンなど大手と並び称される世界的名窯に発展した。後にBjorn Wiinbladによって買収、彼の絵付作品も幅広く展開した。

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NITTSJO / ニットア
Nittsjo, Sweden 1843〜
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Carl Jacob Wettergren士爵と商人 R.A.C.MedenによってNittsjoに水道事業を設立。同時にレンガ工場を約半世紀運営した後、陶器の製造を開始、1917年からは主軸をテーブルウェアへと転換する。デザイン性に注力し、スウェーデン国内でも早期にデザイナーを擁立する窯となる。国内のコンペティションにも積極的に参加し、各種のメダルを獲得。60年代のThomas Hellstromがディレクションを行なっていた時期には電気窯を新設し、様々に表現豊かな製作を行った。現在もスウェーデンの伝統的な表現を重んじた作風に、北欧圏内での稼働にも関わらず世界中に愛好家が存在している。

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NISSEN / ニッセン
Funen, Denmark 1890 〜1990
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デンマーク フュン島の小さな木工場から始まる。バター貯蔵用の樽が好評を博し、一躍木工メーカーの雄となる。息子Hansの代にはLangaに大規模な工場を設立し、オリジナルデザインの樽や桶を手掛け始める。戦後、アメリカのDansk International Designsと共同。Jens H. Quistgaardの産み出すエポックなデザインによる様々な日用器の生産を手がけ、事業は国際的に展開。KRONJYDEN窯との合併吸収など、素材やデザインはさらに複層し、ミッドセンチュリー期における重要なアイテムを多数開発した。90年にBodum社により買収。1世紀に渡る歴史に幕を降ろした。

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Orrefors/ オレフォス
Smaland, Sweden 1726〜
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現存する世界最古のガラス器メーカー/ブランドのひとつであるオレフォスは、当初は鉄鋼業で創業。1898年からガラスに着手。1925年のパリ万国博覧会―通称「アールデコ博」において、その繊細で美しいクリスタルガラスの技法が世界的に注目され、以降、ノーベル賞の晩餐会御用達のワイングラス等、貴賓から一般需要まで幅広く使用されている。1990年にKostaBodaと合併、世界最大規模のガラスブランドとなった。

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PALSHUS / パルシュス
Taastrup, Denmark 1947〜1972
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王立アカデミーで陶芸を学んだPer Linneman-Schmidtが、その妻Anneliseと共に設立。日本及び中国の陶磁にかなりの影響を受けており、最小限の釉薬とマットな質感を特徴とした北欧では珍しい手法を行っていた。後期はシャモット(瓦やレンガに使われる、一度焼成した土)を使った荒い質感に作風を変え、その色合いを工夫するため土自体を独自に調合していった。北欧でも独創的な窯として広く知れ渡っていたが、1972年妻の死とともに閉窯した。

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Paul Kedelv / ポール・ケドルフ
Sweden, 1917~90
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Orreforsの名デザイナー、Simon GateとEdward Hald の元で14歳からガラス職人として修行を始め、32歳にFlygsfors社のアートディレクターに抜擢。貝殻の螺鈿をモチーフにした独特の色彩と優美な姿で魅せる[Coquille]シリーズは彼の代表作となった。晩年までReijmyreをはじめ、数々のガラスブランドにデザインを提供し続けた。

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Per Lutken / ピア・リュッケン
Copenhagen, Denmark 1916〜1998
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コペンハーゲンの芸術学校 Kunst Haandverkerskolen で絵画を学ぶ。 1937年にガラス工芸家として独立。1946年、王室御用達ガラスメーカー Holmegaard社のチーフアートディレクターに就任。1950年〜60年代にかけて製作されたシリーズは、その流水のようなフリーフォームと、やさしく透き通る色と質感が特徴的で、ガラス器の画期的なジャンルの確立と共に、彼の代表作となった。

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REIJMYRE / レイミューラ
Reijmyre, Sweden 1810〜
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ストックホルム南西の小さな村の手吹きガラス工房として設立。その後産業として飛躍的に発展し、1840年代には型ガラスの量産に成功。スウェーデンではこれが初めてとされている。手吹きガラス背景らしい、やさしい肌ざわりと美麗なエッチング、発色の深い色ガラスを特徴としており、その技術は体験工房でも国内外に公開し、多くの観光客に親しまれている。

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Rorstrand / ロールストランド
Stockholm, Sweden 1726〜2001
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1726年、スカンジナビアンとしては初めての陶器産業を設立。(ヨーロッパではマイセンに次いで2番目の古窯)王室御用達窯として早期から美麗な白磁を国内外に展開する。アールヌーボ期を迎え Alf Wallander等著名デザイナーを輩出、そのデザイン性はヨーロッパ各地で不動のものとなった。20世紀にはスウェーデン工業会提唱の元、様々なデザイナー、陶芸家を招聘、斬新な「スカンジナビアンデザイン」の礎を築いた。

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Royal Copenhagen / ロイヤルコペンハーゲン
Copenhagen, Denmark1775〜
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王冠と国を囲む3海峡を示す波線、鮮やかなコバルトブルーの印。コペンハーゲン南東 Bornholm島で採取される硬質のカオリンを使い、1773年に初めて磁器が生産可能になる。1775年、国王クリスチャン7世と王妃ユリアナ・マリアの支援により世界的な名窯へと発展。1862〜1969年の間、Philip Schou 率いるAlunminiaと合併。その後再び王室御用達窯の冠を持ち現在に至る。絵付は今なおも全てハンドペインティングで行われ、底には必ずマークとペインターの名が記される。年代やジャンルによってデザインは多様に存在し、日用器からコレクションに至るまで世界中に展開している。

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RAADVAD / ラアドワド
Raadvad, Denmark 1758〜
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国王フレデリック5世の命により設立された火薬工場を起源とし、やがて家庭用道具類に着手し始める。しかし当初は富裕層や職人向けという贅沢品の仕様であった。大戦後、ステンレスの技術を取り入れることにより、安価な生産性を構築。屋号にもなったナイフの製造、そしてカトラリーやソースパンなどプロユースから一般用まで幅広いニーズに対応していく。デザイン、開発された700種もの道具は250年に及ぶ歴史において練磨され続けており、現在はフィンランドの名門Fiskarsグループのひとつとして世界的に展開している。

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SAXBO / サックスボー
Herlev, Denmark 1930〜1968
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Bing&Grondahlから独立したNathalie Krebsは、その強力なキャリアと盟友Gunnar Nylundと共にデンマークの名窯として早くからその地位を確立。NylundがRorstrandに招聘されるまで、「Nylund Krebs」の通称で後続の作家へ幅広く影響を与えた。1957年にはKrebs自身もイタリアのMIlan Triennaleで金メダルを獲得.。ニューヨークやストックホルムなど、主要な美術館に所蔵されるようになり、「Saxbo Style」と呼ばれるその手法様式は間もなく世界中に知れ渡るクオリティとなった。1968年にKrebsの引退と同時に閉窯。彼女はその時、デザインラフから型、釉薬に至るまで窯の全てを処分したとされている。

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SOEHOLM / スーホルム
Bornholm, Denmark 1835~1996
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Bornholms島では最も古参であった陶器メーカー。1835年、Herman Sonne Wolffsen と Edvard Christian Sonne の2人によって設立される。土の触感の豊かさとプリミティヴな色使いやデザインが特徴的。ピーク時の1930〜1950年代は様々なアーティストを擁し、当時製作されたラインは、閉窯後の現在も世界中に熱烈なコレクターを生み出している。

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STAVANGER FLINT / スタヴァンガーフリント
Stavanger, Norway 1949〜1979
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Trygve Brekke と Trygve Pedersen の2人によって1949年設立。Wedgwoodの技法を研究し、自国の土質に転じ独特の風合いの陶磁器を形成。終戦後、国家の支援を得て急速に需給を展開しInger Waageなど著名なデザイナーを輩出。ノルウェイを代表する窯となる。1979年に同国大手陶器メーカー Figgjo社に経営は譲渡されている、

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Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ
Umea, Sweden 1916〜1982
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ストックホルムのKonstfackskolan工芸大を卒業後GUstavsbergに 入社。Whilhelm Kageの下で陶芸を学ぶ。アールデコからオーガニックな様式まで幅広く取り入れ、その後デンマークからパリのColarossiアカデミーでデザインを求道。戦後の世界的なスカンジナビアン・モダニズム急成長の最中、彼の作品は数々の受賞をし、広く知れ渡ることになる。 イタリアに本拠を置き、生活の美意識を高めるというコンセプトで陶磁器のみならず斬新なデザインパターンを展開。晩年はストックホルム工芸大で教鞭を取るなど、後継者育成にも 尽力した。

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Sven Hofverberg / スウェン・ホフワルベリ
Sweden 1923〜1998
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絵画、彫刻を学びながら陶芸家に。25歳で自身の窯をVaxjoに設立。その技術を評され、ノルウェイの名窯Stavangerflintにアートディレクターとして招聘される。スウェーデンに戻った 50〜60年代は彼の作品の充実期とされ、牛の血を混ぜ込んだ陶土を用いたearthenware(土器)にコバルトやブロンズ釉を用いた独自の作陶を展開する。Landskronaに新しいスタジオを設営し、国内だけでなく1972年には東京でも個展を開催。類まれなろくろ技術による緻密な造形、美しい釉薬のコントラストは彼ならではのものとされ代表作はストックホルムのNational Museumなど、各地の主要な美術館に所蔵されている。

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Signe Persson-Melin / シグネ・ペーション-メリン
Tomelilla, Sweden 1925~
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20代前半までコペンハーゲンの美術工芸大、ストックホルムの国際美術大でガラスと陶芸を学ぶ。Helsinborgで開かれた工芸・アートの一大フェア[H55]に出展したポッドが絶大な評価を得、その機能美溢れる造形で一躍有名となる。Boda社に在籍時はErik Hoglund等と活動を共にし、数々のガラス作品を手がける。後のBoda Nova社でのプロダクト―コルク、ガラス、ステンレスと様々な素材で構成するラインは大ヒットとなる。1985年には前述国際美術工芸大で初のガラス/陶芸デザインの教授に就任。自身の作家活動と並行しながら、デザインハウス・ストックホルムでも後続のアーティストに指導を行うなど、スウェーデンを代表する女性作家である。

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Sigvard_Bernadotte / シグワルド・ベルナドッテ
Drottningholm, Sweden 1907~2002
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スウェーデン国王グスタフ6世の次男として生まれる。ストックホルムの美術工芸大で映画や絵画の歴史を学び、舞台美術に関心を持つ。ベルリンUFAなどで映画の仕事に携わりながら独自のデザイン観を構築、1950年にデンマークの建築家 Acton Bjornと共に工業デザイン会社を設立し、ニューヨークなど国際的な展開を開始。1964年にBernadotte Designを設立。ポスター製作、Georg Jensenの銀器、ジュエリーから樹脂製のキッチンウェアなど素材や対象は非常に多岐にわたり、モダンデザイン史における重要な人物の一人となった。

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Sylvia Leuchovius / シルヴィア・レウショヴィウス
Drottningholm, Sweden 1907~2002
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Gothenburgの工芸大で装飾美術を学ぶ。1949年にRorstrand窯に就業。アーティストとして主に陶板/タイルの製作に携わり、日用器から公共物まで幅広く手がける。72年にフリーになるも、同窯250周年の記念デザインなどにも抜擢される重要なデザイナーとなる。子供や小鳥をあしらった牧歌的で詩的なイメージは彼女特有の展開としても知られ、晩年の画家としての活動にも反映されている。

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Sven Wejsfelt / スウェン・ウェイスフェルト
Lidköping, Swedem 1930~2009
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16歳の時に、スウェーデン王室御用達窯・ロールストランドで ぺインターとして雇われるも、半年後にはろくろ職人となる。当時のトップディレクターであったグンナル・ニールンドに師事し、?器に中国古陶磁に影響を受けた釉薬を施す製作を続ける。1953年、活動をグスタフスベリ窯に移し、アートディレクター、スティグ・リンドべり監修のもと、様々な陶芸の技法を習得。名実ともにトップスロワーとなる。ベルント・フリーベリと二分するとも言われる卓越した技術 は、繊細な形状と器の肉厚にも見て取れ、北欧陶芸のみならずヨーロッパ陶芸の指標とされる人物である。